2024年07号
梅雨となって雨量も増えてきますとなんとなく気だるさを感じてしまいますね。湿度は人や物への影響が急激にではなく徐々に現れるので軽視されがちですが、健康的な生活を行うために、最適な温度と湿度を知り、その環境を保つことが大切です。人の健康・快適性を守る理想的な温湿度は、季節で変動はありますが一般に18~28℃、40~60%RHの状態と言われています。湿度が高過すぎたり、低すぎたりすると、様々な健康障害を引き起こします。湿度が高いと、水分が空気中に逃げにくくなり、体から出る汗がなかなか蒸発しません。 すると、新しい汗が出にくくなり、血流が悪化してしまうのです。 この状態が続くと、体温調整がうまくできなくなり、疲れ・だるさ・頭痛といった体調不良を感じるほか、熱中症のリスクも上がります。また、湿度が高くなると、カビの発生にも注意しなければいけません。カビは、温度20℃~30℃、湿度70%以上の環境を好み、ホコリや汚れをエサにして成長します。人体に悪影響を及ぼすカビは、食道炎や胃腸炎、髄膜炎、真菌性肺炎といった病気を引き起こすほか、ぜんそく・アトピー・アレルギー性鼻炎といった症状を引き起こすため注意が必要です。
湿気対策のポイントのひとつとなるのが、室内の空気を入れ替えることです。1日1回以上は窓を開けて、こまめな換気を心がけましょう。窓が複数ある場合には、対角線上にある窓を開けて、空気の通り道をつくってみてください。雨が降っている日は、窓を開けると余計に湿度が上がるイメージがあるかもしれませんが、湿度は外気より室内のほうが高くなりがちです。雨の日でも窓を開けて、室内のこもった空気を外に流しましょう。扇風機・サーキュレーター・換気扇を一緒に使えば、空気が流れやすくなります。押し入れのふすま・クローゼット・げた箱の扉を開けて換気をすれば、より効果的に空気を入れ替えられるでしょう。布や木の家具はカビが発生しやすいため、壁と少し距離を開け、空気の通り道をつくっておくのがおすすめです。 西 邦光
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