2022年12号
ヒートショックとは、室温の急激な変化で血圧が著しく変動し、心筋梗塞や脳梗塞、めまい、失神などの症状が現れることです。突然死の原因となることもあります。冬は暖房を使用することで部屋と部屋の間で温度差が大きくなります。体は気温の変化に合わせて体温を調整しようと、血管を広げたり縮めたりします。そのため血圧が上がったり下がったりして、ヒートショックが起きやすくなります。また高齢の方は高血圧などの持病を抱える人が多いため、特に注意が必要です。浴室やトイレといった気温が低い部屋には、暖房器具を設置するようにしましょう。ヒートショックは、おもに家の中の温度差により起こることがわかっています。真冬は、暖房をつけている暖かい部屋と暖房をつけていない浴室やトイレの温度差は、10℃を超えるといわれています。暖かい部屋から寒い浴室に移動すると、体は室温の急激な変化から体温を調節するために、ブルブルと筋肉を震わせて熱を作ります。同時に血管を細くして、皮膚の下に流れる血液の量を減らし、体の熱を外に逃がさないように調節します。血管が縮むと、血液が流れにくくなるので、血圧は急上昇します。しかし、浴槽の温かい湯につかることで、血管は拡張し、急上昇した血圧が、今度は急激に低下してしまうのです。その後も、浴槽から出て体を洗ったり、あるいは熱い湯船からいきなり出て寒い脱衣所に移動することなど、一連の入浴行動の中で血圧は急激に大きく変動します。入浴に関して注意すべき点を以下にあげます。
・入浴前と入浴後に水分を補給する
・食後1時間以上空けてから入浴する
・お酒を飲むなら入浴後に
・部屋間の温度差をなくす
・ゆっくり温まる・浴槽の湯温を低めにする
・長湯をしない ・浴槽から急に立ち上がらない
・浴室に手すりをつける 等。
冬場の入浴の際は以上の事柄に注意してヒートショック予防に努めましょう。
西 邦光
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