2021年11号
コロナ禍が始まって以来、国民全体でのマスク着用や手指消毒の励行により、風邪やインフルエンザにかかるリスクがかなり低減したといわれています。しかしこれからの季節気温や湿度の低下により罹患の危険性も高まりますので、風邪予防についてお話ししたいと思います。風邪の感染ルートには、ウイルスの付着した手を介して、口や鼻の粘膜から感染する「接触感染」、風邪をひいた人の咳やくしゃみによってウイルスを含んだ小粒子（飛沫）が飛び散り、それを吸い込むことによる「飛沫感染」、さらに咳やくしゃみの飛沫の水分が蒸発して空気中に浮遊したウイルスを吸い込むことによる「空気感染」があります。こうしたことから、風邪の予防には「こまめに手洗いをする」「マスクを着用する」「症状の出ている人に近づかない」ことが基本です。そして最初に挙げた接触感染で特に気を付けなければならないのが目をこすったり鼻の粘膜を指で乱暴に触れる行為を極力控えるということです。この季節は空気の乾燥による粘膜の荒れに加えて花粉症が発症するケースも少なくありません。かゆみにより目を強くこすったり鼻の穴をいじってしまうことでウィルスが体内に侵入してしまいかねません。なるべく粘膜付近は強く触らないよう心がけましょう。
また、同じ環境で過ごしていても、体力や抵抗力が低下している人はウイルスに感染しやすくなります。風邪に負けない身体づくりのために、次のことを実践しましょう。しっかり睡眠をとる…睡眠は体力や身体の機能回復に欠かせません。十分に栄養をとり、適度に運動する…免疫力を高めるためには十分な栄養が必要です。風邪予防には、免疫物質のもととなる「たんぱく質」、免疫力を高める「ビタミンC」、粘膜を丈夫にしてウイルスの侵入を防ぐ「ビタミンA」を積極的に摂りましょう。また、適度な運動は風邪に負けない体力づくりや、免疫力の向上に役立ちます。 西 邦光
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