2014年 01号
新年明けましておめでとうございます。昨年よりも少しでも多くの方のお役に立てるよう精進致します。本年も何卒よろしくお願い致します。それでは今回は福田稔先生による潰瘍性大腸炎のお話です⇒ 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる10~20代の若い人に多い病気です。1975年に難病指定を受け、その後30年間で患者数8万人、毎年5000人ほど増えています。西洋医学では、腸内細菌の関与、自己免疫疾患の反応異常、食生活の変化などが考えられますが、原因不明とされています。自律神経免疫理論では、心身のストレスが引き金になり交感神経緊張によって増えた顆粒球が活性酸素を放出し、大腸の粘膜を破壊した結果、潰瘍やびらんができます。患者さんの白血球の比率では、顆粒球のバランスが正常範囲を外れて増加しています。(中略)潰瘍性大腸炎は大腸に慢性的な炎症が生じ潰瘍が出来て下痢の症状を伴います。この下痢は副交感神経反射を起こして消化管の動きを促して回復をさせようとした結果です。顆粒球の放出する活性酸素による粘膜破壊の苦痛から逃れるために「嫌なもの反射」を起こして下痢をさせて生命を危険から守っている反応です。副交感神経には分泌や排泄の力を高める働きがあり、副交感反射により痛みの物質プロスタグランジンが出るので腹痛も伴います。鍼灸をはじめとする自律神経のバランスを整え、免疫力を上げる治療を行った際も、「嫌なもの反射」を起こしてきます。ですから汗も治療中にはよく出ます。体がポカポカしてきたり、お腹がゴロゴロしてトイレに行ったりすることもよくあります。不快な症状が起きてくることもありますが、治癒反応です。自分の自然治癒力を高める一助であり、「なおしてもらう」ものではなく、「自分がなおす」ための方法であることを忘れないで下さい。
参考文献:「非常識の医学書」実業之日本社(p138~141)
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