2020年05号
患者様から「鍼はどうして効くんですか?」といったご質問を受けることが少なくありません。今回は少々小難しい内容になりますが、なぜ鍼をすることで痛みがましになったりするのかについてお話ししたいと思います。
鍼灸は体表(皮膚、筋肉)に分布する感覚神経を刺激し、中枢神経系(脳、脳幹、脊髄)を介して作用すると考えられています。鍼を例に挙げると、鍼は体表の主に細い感覚神経を刺激し、中枢神経内に天然のモルヒネのような物質を放出させ、痛みを抑制する機構を賦活(ふかつ)し、脊髄レベルで痛みを伝える神経の興奮をブロックします。また、同時に鍼刺激は体表の太い感覚神経をも刺激し、脊髄で痛みを反射性にブロックする機構を作動させます。これは、体の一部をどこかにぶつけた際に、その部位をさすると痛みが和らぐのと同じことです。いずれにしても鍼の鎮痛効果は、中枢からの抑制系と脊髄の抑制系の二重で痛みをブロックしますので、大変効果があるということになります。また、筋肉の深さまで鍼を刺すと、神経刺激を介して血行を改善させ、痛みの原因となっている発痛物質を流してくれます。通常、激しい痛みがある場合、交感神経系は過剰に緊張し、末梢の血管を強く収縮させます。同時に、運動神経系も興奮させますので、筋肉は硬くなり、血管を圧迫して、血行を悪化させます。そうなると、発痛物質などの代謝産物が一層溜まり、さらに痛みを増強させることになります。鍼は、この悪循環を断ち切ります。すなわち鍼刺激により内在性の鎮痛系を賦活させると共に、筋緊張を緩め、血行を増加させます。
つまり、本当に大雑把に言うと、撫でさすったりして痛みを和らげるのをよりダイレクトに、より効果的に行い、血行も良くして治りを早めるという効果が鍼にはあるのです。
参考文献:東洋療法雑学辞典 西 邦光
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