2008年 06号
気が付けばもう1年の半分が過ぎ去ろうとしています。光陰矢のごとしとはよく言ったもので、本当に時が経つのは早いものですね。6月1日は一般的に衣替えの日とされていますが、衣替えの習慣は、宮中の行事として始まったものです。しかし、当時は今と違って旧暦の4月1日と10月1日に行われていました。もっと複雑になったのは、江戸時代の武家社会からで、ここでは4月1日から5月4日と、9月1日から9月8日までは袷「あわせ(裏地付きの着物)」を、5月5日から8月末日までは帷子「かたびら(裏地なしの単仕立ての着物)」を、9月9日から3月末日までは綿入れ(表布と裏布の間に綿を入れた着物)の着用を定められていました。したがって年4回も衣替えをしていたわけです。衣替えが6月1日と10月1日になったのは明治以降で、学校や官公庁、銀行など制服を着用する所では現在もほとんどが、この日に行われています。
さて、この季節の鬱々とした気分を解消させてくれる食材のひとつに玉ねぎがあります。玉ねぎにはカリウムが豊富で、その利尿作用によってむくみを軽減させる効果があります。また、玉ねぎの辛味にはアリシンという成分が含まれます。これはビタミンB1の吸収を高め、新陳代謝を促進して体力をつけ、更に胃の消化を助け、食欲を増進させる作用や、発汗作用により皮膚の老廃物を吹き出させ、肌の代謝を促す作用があります。そして最近、アリシンは発ガン物質を肝臓で分解する酵素の働きを助ける作用もあることが分かりました。また、外側のキツネ色の皮にはケルセチンという栄養素が多く含まれていて、これはフラボノイド類で抗酸化作用があり、血圧降下の作用があります。そのほか、玉ねぎの抽出成分には血栓を溶解する作用があり、適量摂るといわゆる「血がサラサラになる」効果で狭心症や脳卒中の予防効果が期待できます。更にはコレステロールや血糖値の降下作用、抗菌、殺虫作用など玉ねぎには数多くの有効成分が認められているのです。
参考文献:「東方栄養新書」 メディカルユーコン社
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