〜月刊 ハリ師の健康話〜

西院長による、月一回更新の健康講座ブログです。



2008年10月号 「食と健康(ごぼう)」

日本氣鍼法学会会員  西 邦光


 早いもので、今年ももう十月、終盤に近づいてきてますね。旧暦十月の和名は「神無月(かんなづき)」(「神去月(かみさりづき)」)といいます。日本のさまざまな場所に居られる八百万の神々が、年に一度、出雲に集まるため、「神さまがいなくなる月=神無月」と名付けられたのだそうで、日本全国が神無月でも、出雲では逆に、「神在月」となるようです。 そして、出雲に集まった神々は、人には窺い知ることのできない諸般の事ごとをお決めになるのだそうです。翌年の酒造りや男女の縁結びも、このとき決まるといわれています。また、神々は出雲に参集して会議を行うほか、舟遊びをしたり、漁労や収穫の検分をしたりと、さまざまな伝承が残されているようです。この神無月の由来については、その他にも陰陽説からくるものもあります。陰陽説で神は陽であり、十月は陽の気がない極陰の月とされます。つまり「陽(かみ)無月」が「神無月(かんなづき)」に転化したという説です。と、なると極陽の月は水無月(旧暦六月)なのかもしれませんね。
 今回は「牛蒡(ごぼう)」についてご紹介します。ごぼうは食物繊維を最も多く含む野菜です。この食物繊維には人体の消化液で消化できない不溶性のセルロース、へミセルロース、リグニンなどが含まれていて、腸の働きを活発にさせ、便通を良くし、コレステロールの排泄を促進させます。また、ごぼうに含まれるアルギニンは女性ホルモンの分泌を助け、生理不順解消にも役立ちます。そのほか、ごぼうに含まれるポリエンはブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などに対して抑制効果を発揮します。体を温める作用とともに解熱、発汗、利尿の作用ももつ薬効成分はごぼうの皮に多く含まれますので、栄養の上手な摂りかたとしては、皮はむかずに調理するのが良いでしょう。例えば、ごぼうを丸々一本皮付きのまま切らずに折り曲げて梅干し1個とともに鍋に入れ、水を張ります。それを6時間じっくり、水がなくなってきたら注ぎ足しつつ煮込みます。そして煮込んだごぼうを2,3cmに切っていただきます。残った分も冷凍保存して、毎日食べます。これは腎臓の妙薬で、腎臓病の方以外にも体が冷えやすい方や疲れやすい方にお勧めです。

参考文献:「東方栄養新書」 メディカルユーコン社