〜月刊 ハリ師の健康話〜

西院長による、月一回更新の健康講座ブログです。



2008年7月号 「食と健康(トマト)」

日本氣鍼法学会会員  西 邦光


 7月7日といえば七夕、七夕といえば、竹笹の枝に色とりどりに飾られる、願いをこめた短冊が思い浮かびます。また、牽牛と織女が年に一度逢瀬をはたす物語を誰もが知っているでしょう。この牽牛星・織女星の物語、いまから2000年前にはすでに中国で成立していた伝説だといわれています。機織りに励んだ天上の織女にちなんで、星に技芸の上達を祈る「乞巧奠(きこうでん)」という宮中行事が生まれ、奈良時代に日本へと伝わりました。これは供え物をして牽牛・織女をまつり、芸事の上達を祈るとともに、管弦の奏楽、和歌の朗詠がおこなわれ、天の川に見立てた白い布をはさんで七夕の歌を贈答するといったものだったようです。そして江戸時代になると、七夕の行事は民間にも広がります。笹竹に短冊をかざるスタイルもこのころ定着したようです。
 今回は夏の野菜、「トマト」についてご紹介します。トマトの原産地はペルー、エクアドルの高原地帯で、中国ではこちらも2000年前から栽培され、日本に伝来したのは17世紀ごろ。観賞用で「唐柿」と呼ばれていました。野菜として登場したのは明治時代です。トマトに含まれているリコピンはβ‐カロチンよりも更に強い抗酸化作用、抗癌作用を持つとも言われています。リコピンはトマトが太陽光に当たって熟していくにつれて生成されていくので、陽光をたっぷり浴びた完熟トマトが良いようです。また、ビタミンPもトマトには多く含まれていて、これはビタミンCを助けてコラーゲンを合成したり毛細血管を丈夫にします。そのほか抗老化作用があるグルタミン酸やコレステロール値の降下作用、動脈硬化防止効果のあるコリンやリン、利尿作用のあるカリウム、トマチンなどもトマトには含まれます。最後に、市販のトマトには未熟なものが多く、毒性があるソラニンという成分が含まれていて、むかつきなどの症状を引き起こします。完熟するとこの毒性は消えますので、室温に置いて熟するまで待ったほうが良いでしょう。

参考文献:「東方栄養新書」 メディカルユーコン社