〜月刊 ハリ師の健康話〜

西院長による、月一回更新の健康講座ブログです。



2007年12月号 「食と健康(白菜)」

日本氣鍼法学会会員  西 邦光


 「何にこの師走の市に行く烏(からす)」
 これは芭蕉が滋賀県大津の膳所歳末の市で詠んだとされる句です。人も時間もカラスまでもあわただしく行き交う季節となりました。この時季になるとやらねばやらねばと思うものに大掃除があります。大掃除はもともと、毎年正月に訪れる「年神さま(歳神、恵方神、歳徳神とも呼ばれる五穀豊穣をもたらす神)」を迎えるためにお清めをする「煤払い(煤掃き)」に由来し、12月13日に始めるものとされていました。この日は「正月事始め」「松迎え」などと呼ばれ、正月を迎えるための準備を始める日とされています。また、江戸時代に徳川幕府が江戸城御煤納めの日をこの日に定め、城内の煤を落としたことから、転じて一般の家庭にも普及し、大掃除が行われるようになったようです。もともとは信仰的な色合いの強い行事でしたが、現在ではその意味も薄れ、「新年を気持ちよく迎えよう」という意味合いで大掃除の風習が残っています。
 家屋の掃除もさることながら体内の掃除も普段からおろそかには出来ません。腸の老廃物を除き、便秘を解消する食材に「白菜」があります。中国の古典には「豆腐と白菜が平安を保つ」という養生勧告があり、それぞれの栄養価とその組み合わせの良さを評価しています。白菜の根に近い部分にはビタミンB6が多く含まれており、これが欠乏すると、皮膚炎や口内炎、筋力低下、アレルギー反応などを引き起こします。また白菜にはモリブデンが多く含まれており、これはニトロソアミンという発ガン物質の合成を阻害することが分かっています。食物繊維の便通を良くする作用とあわせて大腸ガンの予防効果が期待できます。豚肉と白菜を組み合わせることにより、ビタミンCやビタミンE、タンパク質、鉄分と一緒に体の酸化を防ぎ、綺麗な肌を保ったり、抗ストレス、貧血予防などの幅広い効果があります。
 ただ、白菜を切ると酸化酵素が活性化しますので、可能なら切らずに保存しましょう。

参考文献:「東方栄養新書」 メディカルユーコン社