〜月刊 ハリ師の健康話〜

西院長による、月一回更新の健康講座ブログです。



2007年8月号 「食と健康(スイカ)」

日本氣鍼法学会会員  西 邦光


 毎日暑いですね。8月の行事といえばお盆ですが、関西では地蔵盆があります。地蔵盆は、子どもの守り仏を祭る行事として古くから信仰されていました。お地蔵さんとは仏教に属する地蔵菩薩のことです。この地蔵菩薩はお釈迦様が入滅してから未来仏の弥勒菩薩がこの世に現れるまで、人間界のみならず地獄・餓鬼・畜生・修羅・天上を含めた六道すべてにおもむき、衆生を救済しておられるのだとか。平安時代以降に阿弥陀仏信仰と結びつき、地蔵信仰が民間に広がり、村を守る役割も果たすようになり、現在にいたっています。しかし地蔵盆のように盛大にお祭りするところはおもに関西周辺に限られています。地蔵信仰が広がりだしたころ、関東圏は稲荷信仰が流行っていたから関西ほど信仰が深まらなかったとも言われています。
 地蔵盆でもよく登場する夏の定番「スイカ」。スイカは十四世紀に隠元禅師によって中国からその種が持ち込まれたといわれています。スイカの赤い身は古くから暑気の熱を収め、利尿などの作用がよく知られ、自然から生まれた「白虎湯」(夏季の熱症を解消する漢方処方)と賞賛されています。スイカの皮は「西瓜翠衣(セイカスイイ)」という漢方薬として使われていて、強い利尿作用を持ったシトルリンが皮のほうに多く含まれているので、日干しして保存すれば季節を問わず利尿や解熱などの効能を発揮できます。それを焼いて出来た粉末は口内炎に有効です。種は肺と胃腸の機能を良くし、通便作用もあります。また、スイカに含まれる色素リコピンは強い抗酸化作用があると注目され、抗老化や抗癌作用も期待され、カリウムが尿と一緒に余分なナトリウムを排除するため高血圧や動脈硬化に有効とされています。スイカに含まれる果糖は7〜10℃で甘みを増すので冷蔵庫から出して、しばらく室温に戻してから食べると良いようです。

参考文献:「東方栄養新書」 メディカルユーコン社